男は稼ぐ、女は家事・育児をするという分業制の考えは、無意識の思い込み・偏見・価値観(アンコンシャス・バイヤス)として、未だにかなり根強く我々の意識の中にあるように思います。
その価値観が夫婦間の問題の根底にあるのではないかと考えます。
この価値観に反発する女性の中には、男性に従うことが悪であるかのように感じ、過剰に反応し、男性の意見を聞くこと、男性の価値観に歩み寄ることすらできなくなっている方もいらっしゃいます。
夫婦間で最も大切なことは、お互いの価値観を否定せず許容することだと考えます。
分業制を否定するわけではなく、お互いに尊重しあえていれば問題はありません。
では、分業制の場合、どうして関係性が不平等になりがちなのでしょうか。
それは、「お金を稼いてくる人が偉い」、「お金を多く稼ぐ人が偉い」という無意識の思い込みがあるからではないかと考えます。
別居の時にも、「マンションの名義もローンを払っているのも自分だから、自分が出ていくのはおかしい」という発言をよく聞きます。
このような思い込みにより、男性がモラハラ的な発言をすることや女性がへりくだった考えに陥るという状況が起こりやすくなります。
問題を抱えた多くの方々は、パートナーを否定し、自分の価値観が正しいことを証明しようとしています。
また、パートナーの気持ちを考えずに自分のやりたいことをやっていて、協力し合えない状態の方々もいます。
「自分が稼いでいるのだから、自由にやって当然」と思っている人もいます。
さまざまな価値観の中で、受け入れられない価値観をパートナーが持っている場合、許容範囲に入ることがお互いの努力によりできるかどうか考えたり話し合ったりする必要があります。
無意識の思い込み、価値観を見直すこと、疑ってかかることから始めましょう。